「MW10は40万もする高価なアイテムなんだからさぞ凄いいんでしょうね」や「MW10を使ったら夜の行動が自由になるかも」。MW10に興味を持っている人の中にはこのように期待している人も少なからずいます。しかし過剰な期待は禁物です。
というのも、MW10はカメラの映像を見る製品なので、やはり映像と肉眼で見る風景には違いがあり、それはMW10をもってしても埋まるものではないからです。
確かに、MW10を使えば暗い場所はとても明るく見えます。明るさについては絶賛するレベルの完成度なのですが、人間の視界というのは常に動くもので、その全てを映像で再現するのはほぼ不可能なことです。
肉眼だと、見る方向を変えれば瞬時に変えた方向の風景が目に飛び込んできますよね。そこに遅延や残像はありません。しかしMW10のカメラ映像には多少の遅延や残像が生じ、これ行動する上での障害となるのです。
MW10の場合、ゆっくり歩行する程度の移動スピードなら特に不便に思うことはありませんが、移動のスピードを早歩き以上にすると残像や遅延が影響して周囲の認識が遅れてしまい、その結果、怖くなることがあります。つまり、MW10を着用した状態で走ったりスポートをしたり車を運転することはほぼ無理なのです。
「それだと意味ないじゃん」と思うかもしれませんが、前のコラムでもお伝えしたように、見えるのと見えないのとでは情報量が大きく違うため、そこに価値を見出している方ならMW10に満足すると思います。