MW10 HiKARI(以後、MW10 と呼称)はまだ発売されたばかりということもあり取扱店もまだ少なく、なかなか試すことができません。もし MW10 を試せる機会があってもただ単に言われるがまま MW10 を着用し、辺りを見渡して明るく見える事実だけを知っても、重要なのは生活がどのように変わるのかなので、あまり意味がありません。そこでもし MW10 を試す機会があれば本稿に記載した内容を参考に MW10 があるとどのように見えるのかをテストしてみください。
また、本稿に記載した内容は、生まれつき夜盲症を持っており、実際に MW10 を購入した筆者が、「このようなテストをすれば効果を実感しやすい」と判断したことなので、メーカー、販売店、眼科医、ロービジョン系団体の関係者、夜盲症の人を家族に持つ晴眼者さんにも参考にしてもらえると思います。
その前に、私の基本スタンスを示しします。MW10 の効果というのは、普段の生活の中でいつも目にしている光景を MW10 で見た場合に最も実感できるため、自宅の周辺や通勤・通学ルートなどの見慣れた場所でテストするのが理想です。しかし、イベントや店舗での体験では、このようなテスト環境を用意することはできないので、次に挙げるテストケースを参考に体験プランを実行すると多少はマシです。
夜間、なるべく暗い路地を歩いてみる
MW10 の効果を一番感じやすいのが自宅周辺ですが、MW10 を貸し出すわけにはいきません。そこで自宅周辺をイメージしやすいように暗めの住宅街を歩くと良いでしょう。
夜盲症の人だと昼間は普通に見えているものの、夜はかなり見づらくなります。そこで MW10 を着用すると、まるで昼間と同じくらいに道路や周辺の住宅を見ることができるため、MW10 の恩恵を直に感じとることができます。
屋外でも室内でも暗いところで足元を見る
夜間の屋外や照明の少ない場所では足元を殆ど認識することができません。昼間であれば歩行時に必ず目にする足元を、夜間でも見るという体験は些細なことであっても MW10 の効果を感じやすいテストケースだと言えます。
夜空を見上げて雲や星を見る
夜盲症の人の目に夜空というのは大部分が暗くしか映りません。しかし、上記の足元と同じくらい夜間屋外に出ると目にする光景です。そこで MW10 を装着して夜空を見上げてみてください。すると、夜の空にも昼間と同じように(曇っていれば)雲があり、月以外の星も見ることができます。例えば、北斗七星のような有名な星々の多くは普通に見えます。夜盲症の人の中には晴眼者なら何気ない夜空の光景であっても、夜盲症の人にとっては初めて見る光景だという場合が多いので、効果を実感できると思います。
電気を消した室内で視力検査をしてみる
MW10 を体験する場所がメガネ店であればたぶん視力検査票(ランドルト 環)が設置されているはずなので、室内の電気を消して暗い状態にしてランドルト環が見えるかどうかを試してみてください。視力を計るわけではないので、やり方は適当で構いません。裸眼では見えなかったランドルト環が MMW10 によって見える体験ができれば、MW10 の効果を実感しやすいと思います。ランドルト環は誰もが見たことのあるポピュラーな図柄なので、被験者も効果を実感しやすいでしょう。
カメラの倍率を小さくするテスト
夜盲症の人の中には視野狭窄の方もいるので、MW10 の映像倍率を小さくして狭い範囲に映像を押し込めることにより、視野狭窄の人でもカメラが捉えた風景の全体が見れ、視界が広くなった体験をすると、あまり知られていない MW10 の違う効果も実感できます。
比較的暗い場所で面と向かって会話する
私たちが日常的に利用している飲食店の中には雰囲気作りのために照明を落としている場所も多く、夜盲症の人にとってそのような場所では結局何も見えない場合があります。そこで同じような環境をテスト会場に作り、ありふれたテーブル席で対面の人と会話すると、相手の顔がしっかりと認識できるので、MW10 のある生活をイメージしやすいです。
自分が持っているバッグの中を見てみる
(New!)
お出かけ時にリュックやバッグ、カバンを持ち歩く方は多いので、体験会やイベントで MW10 を試す機会があれば、とりあえず自分のバッグの中を少し離れた位置から見てみてください。
MW10 をしていない時にバッグの底までは見えないと思いますが、MW10 をかけると見えることがあります。見え方で MW10 の力を確認してみてください。