MW10 HiKARI(以後、MW10 と呼称)を使うと暗い場所で周囲が明るく見えるので、夜道を歩く時にはとても頼りになりアイテムです。しかし、暗い場所での物の見え方を改善するだけであって、白杖のように人の行動まで支援するものではありません。ですので、MW10 には MW10 なりの行動の仕方というものがあり、ユーザーはある程度トレーニングを積み MW10 での歩き方に慣れないとただ夜道を歩くことでさえ辛さを感じることでしょう。そこで本稿では、安全を第一に考えた場合の MW10 を使った夜道の歩き方をご紹介します。
夜道の歩き方といってもそれは普段の歩行と何ら変わりません。「周囲に気をつけながらゆっくりと歩く」 これが基本です。
ではなぜ MW10 なりの歩き方があるのかというと、MW10 では映像を見ながら歩行するからで、肉眼で見る風景と MW10 のカメラ映像には多少なりとも差異がありますので、それが行動に影響してくるのです。
例えば、MW10 のカメラ映像には多少の遅延やブレが発生します。そのため、頭を少し素早く動かすと暗い場所だと映像に顕著な遅延やブレが発生するので一時的に周囲が認識しづらくなります。これはカメラ製品であるがゆえの宿命みたいなものですので MW10 の欠陥とかそういうものではありません。
カメラ映像のブレによって周囲が認識できないまま歩行を続けると危険ですので、そういう時は躊躇なく立ち止まって周囲の状況を確認できたら歩行を再開してください。筆者が一番お伝えしたいことはこのことです。
しかし、横断歩道を渡っている最中など、なかなか立ち止まれない場面もあります。そういう時には MW10 を外して肉眼で周囲を見たほうが早く認識できるかもしれません。
次に、MW10 を使用すれば行動までもが自由になるというわけではないので、MW10 を着用している時でもなるべく介助者を伴い、白杖を持ち(白杖をお持ちの方のみ)、懐中電灯がいつでも使えるようにスタンバイさせておくことをおすすめします。
特に、MW10 を着用した状態で懐中電灯を点けると周囲の明るさが倍増して更に見やすくなるので、例えば街灯の少ない場所ではとても有効です。ホント、懐中電灯を点けるとびっくりするくらい明るくなります。
最後は、夜道の中でも何か目印を見つけてそれに沿った形で歩行することをおすすめします。歩道だったら点字ブロックに沿って歩く、階段があれば手すり、路地なら路側帯の白線の内側を歩く、住宅街なら塀に触れるか触れないかくらいの距距を維持しながら歩く、こうすることで安全に歩行できると思います。
以上 3 点が MW10 を使って夜道を歩く時の注意事項になります。参考にしてみてください。