ある日の晴れた夜、筆者は友人とドライブ(もちろん運転は友人)していて途中で MW10 を使い夜空を眺めていると MW10 には 2 つの応用方法があることに気づき、これは MW10 の価値と結びつけることもできる思いましたので本稿で紹介します。
一つはこれまで出来なかった会話が出来るコミュニケーションツールとして、もう一つは晴眼者と夜盲症の方との見え方の差を測るツールとして活用できることです。MW10 の主な機能というのは暗い場所で周りの物や風景が明るく見えることですが、副次的な効果という感じで上記のような使い方もできるということです。ただこれは、筆者が頭をこねくり回して編み出したこじつけにしか過ぎず、全ての人に対して「間違いない!」と断言できる使い方ではありません。この点はご容赦ください。
最初のコミュニケーションツールとしての活用例について詳しくご説明します。
筆者は夜空を眺めながら友人と次のような会話をしていました。
筆者 : 今日は結構星が見えるね〜、あそこにいくつか星が見えるけどあれは何かな?
友人 ; うーん、たぶん北斗七星とかじゃない?
筆者 : あ〜なるほど! 柄杓っぽい感じよね。
友人 : やね! でもそういうのも見えるの?
筆者が眺めていた夜空というのが次の写真です。確実に星だと判別できるものを黄色の枠で囲ってみましたが、意外と多いですよね? ただ、空全体はカメラに映らないので写真の光景は夜空の一部になります。
とまあ、よくある会話だと思いますが、筆者がこのような会話を友人としたのはこの時が初めてだったので、この時のやり取りを通じて筆者はとても貴重な経験をしたと思っています。
デジタルカメラの露出を上げまくって夜空撮影する等の方法を使えば星空を見ることは可能ですが、たぶん MW10 がなければこういう会話をしようとすら思わなかったでしょう。
ここでもう一つの気づきがありました。それは友人が MW10 を使って夜空を眺めると友人の肉眼で見るよりも多くの星が見えたらしいということです。友人の話によれば大体 2 倍くらい多く見えたそうです。
夜空の他にも、例えば夜盲症の方だと真っ暗に近い 「お化け屋敷」 で友達や家族と一緒にこわーい幽霊に絶叫しながら先に進む、こういった場面でも星空と同じように共通の認識を持てる会話ができると思います。
次の 「見え方の違い」 を測るツールとしての活用例について。
夜盲症の方は時々次のような疑問を抱くことはありませんか?
「晴眼者っていう人たちは一体どのくらい見えているのだろうか」、また、「自分は一体どのくらい見えていないのだろうか」。
MW10 が登場する以前に上記のような疑問を抱いたとしても、それを知る術は無いと決めつけていた方は多いでしょう。
しかし、MW10 を使って 0~1lux というほぼ真っ暗なシチュエーションにおいて晴眼者の友人に MW10 をかけた時の明るさと MW10 を外して肉眼で同じところを見た時の明るさの差を割合で尋ねたところ、その友人は 「肉眼だと MW10 の 3 分の 1 くらいかな〜」 と答えました。
同じ場所を今度は筆者が肉眼で見るとほぼ何も見えなかったので割合を決めることすらできません。友人は 3 分の 1 だと数値的に答えるほど肉眼でも見えているんだと知ったのです。そこで単純に MW10 の明るさの 3 分の 1 をイメージしてみると、「まあ、それなら普通に見えるよな」 と納得したわけです。
でも注意してください。この測定方法では 「何分の 1」がどのくらいの差なのかが両者の間で一致しておらず、また、視力や視野の差もあるので数値としてはかなりアバウトなものになります。感覚的に判断してください。
この活用例を応用すると、晴眼者の身近にいる夜盲症の方が 「どのくらい見えていないのか」 を把握する手がかりにもなりますので、もし MW10 を体験または購入した場合にはぜひ試してみてください。