HOYA が 11 月 1 日に暗所視支援メガネ「MW10 HiKARI」の全国発売をプレスリリースを通じて発表しました。つまり、製品発表から約 1 年かかって本格発売になったということです。
実際の販売は 2018 年 4 月 24 日から行われていますが、販売店舗が当初の全国 3 店舗から全国 24 店舗(記事執筆時点)にまで拡大し、ある程度販売体制が整ったということで、本格発売になったのです。
筆者が少し気になったのはプレスリリースに記載されている「2018 年春より地域限定で試験発売」という一文です。「え? まさか自分はモルモットにされたの?」と幾ばくかの不審感を抱く内容でした。なるほど、どおりで付属品となっているヘッドストラップや携帯用ポーチの納品が未だ完了していないのかと納得すると共に、4 月に正式発売がアナウンスされなかったのもこれでようやく合点がいきました。
また、筆者は MW10 の発売以後、HOYA の方々と月イチで面会し MW10 の使用感や改善点を指摘してきたほか、当サイト「MW10 Portal」を設立して完全なボランティアで MW10 の情報発信に務めることで HOYA に協力してきたつもりだったのですが、プレスリリースに筆者への言及が全くなく非常に残念でした。
所詮、筆者はいち個人で活動しているライターにしか過ぎず、筆者が MW10 のために費やしてきた金銭的・時間的な負担や労力というのは大企業の HOYA さんから見ればゴミ同然の価値でしかなかったのだと痛感したのでありました。
余談はこれくらいにして今回の本格発売が意味するところをご説明しましょう。
主なニュースとしては、北は北海道から南は沖縄まで、全国 24 店舗で MW10 を購入できるようになり、実機を使った体験もできるようになったことです。
「MW10 を試したいけど近くに販売店がないからどうしようもない」という意見が多くありましたが、この問題点が多少改善されたことになります。
ニュースの裏に隠されたもう一つの意味が補装具認定の実現にまた一歩近づいたことです。販売体制の整備具合というのは補装具認定における一つの判断基準になるので、全国販売にまでこぎつけた実績というのは補装具認定においては確実にプラスに働く出来事だと言えます。
筆者は、MW10 が成功するか否かは補装具に認定されるかどうかにかかっていると考えており、もし補装具として認定されなければ全額消費者負担となるので普及せずに失敗に終わることでしょう。
MW10 を単独で見ても駄目です。MW10 よりも安価で実用的な類似品が出てくるのが先か、それとも MW10 が補装具として認定されるのが先かも成功するか否かを決定付ける要素となります。
市場のガジェット類を見れば、今後 2~3 年の間に MW10 よりも安価ではるかに実用的な類似品が多数登場しそうなのは明らかで、それまでに MW10 がどの自治体でも補装具に認定されなければ MW10 の成功は多分無いと見ています。
MW10 は高額過ぎますから販売体制がどうであれ、ネット等を使って誰でも簡単で安く購入できる商品に消費者が流れることはもはや言うまでもありませんからね。
プレスリリース
http://v4.eir-parts.net/v4Contents/View.aspx?template=announcement&sid=45980&code=7741